株式会社牧野フライス製作所(Makino Milling Machine Co., Ltd.)は、世界的に高まる高精度工作機械需要への対応を目的として、新たな生産拠点となる富士吉田工場を開設した。2026年5月18日に開所した同工場は、厚木事業所、富士勝山事業所に続く国内3番目の生産拠点であり、2026年6月より本格稼働を開始する予定である。
敷地面積は約27,500㎡で、自動倉庫(Automated Warehouse)、ユニット組立棟(Unit Assembly Building)、最終組立工場(Main Assembly Plant)の3施設に加え、2つのセミナールームを備えた来客棟を併設。顧客向け技術セミナーや製品デモンストレーション、技術交流などを通じて、顧客とのコミュニケーション強化を図る。

工場は標高約900~1,000mの富士山麓に位置し、年間を通じて温湿度変化の少ない安定した自然環境を備えている。この立地特性に加え、約2,300本の杭で補強した強固な基礎構造を採用することで、高精度工作機械の製造に求められる高い寸法精度と生産品質を支える安定した生産環境を実現した。
今回の投資では、大型横形マシニングセンタおよび5軸マシニングセンタのリードタイム短縮を図るとともに、市場ニーズへの対応力を一層強化する。航空宇宙分野における大型構造部品の加工需要や、大型金型への対応が進む金型産業、さらに世界的なデータセンター投資の拡大を背景としたエネルギー・半導体関連分野など、成長が期待される市場への供給体制を強化していく。
稼働初期には、Makinoが展開する全101機種のうち21機種を生産する計画であり、戦略製品の生産能力を拡充することで、今後の需要拡大にも柔軟に対応していく。

また、生産ラインは**「No Reverse Movement(逆戻りなし)」「No Crossing(交差なし)」「No Bottlenecks(ボトルネックなし)」**の3つのコンセプトに基づいて設計された。部品供給から最終組立までを一方向の工程で構成することにより、生産効率の向上、工程ロスの削減、安全性の向上を同時に実現している。
最終組立工場は、大型工作機械の組立に対応するため、柱間25m、天井高14mの大空間構造を採用。生産量の変動や機種切替にも柔軟に対応できるほか、将来的な中小型機の生産にも対応可能な拡張性を備えている。
開所式では、ユニット組立棟および最終組立工場の見学会が行われるとともに、新工場で生産予定の主要機種を公開。アルミ製航空機構造部品向け5軸横形マシニングセンタ「MAG3.EX」、チタンなど難削材加工向け5軸横形マシニングセンタ「T2」、半導体製造装置部品向け横形マシニングセンタ「a120nx」などを披露し、高度な加工技術への対応力をアピールした。
富士吉田工場の開設は、航空宇宙、半導体、エネルギー、先端製造業のさらなる成長に対応するとともに、生産体制を強化するというMakinoの長期的なビジョンを実現するための重要な一歩となる。新工場は、最適な生産環境と柔軟かつ効率的な生産システムを備え、高精度工作機械の開発・生産に対応するよう設計されており、世界の精密加工産業の発展を支える重要な基盤となることが期待されている。
今回の新工場開設により、Makinoは世界市場で拡大する需要に対応するための生産能力をさらに強化する。特に、高い加工精度と生産性が求められる産業向けの工作機械生産を支える重要な拠点となる。工場では次世代工作機械の生産に対応するとともに、先進的な製造技術と最新の組立プロセスを導入し、部品組立、品質検査、出荷前の性能試験に至るまで、すべての工程で生産効率を向上させ、一貫した品質と市場ニーズへの迅速な対応を実現する。
さらに、富士吉田工場は航空宇宙産業、半導体製造装置関連産業、難削材加工など、高度な加工精度が求められる分野向け工作機械の生産を支える重要な役割を担う。これらの産業では先進的な加工技術への需要が今後も拡大すると見込まれており、新工場への投資は単なる生産能力の拡大にとどまらず、Makinoが革新的な工作機械技術と高度な加工ソリューションの開発を継続し、世界中の顧客へ高い価値を提供するという姿勢を示すものである。
新工場は2026年6月より本格稼働を開始する予定であり、Makinoのグローバル生産ネットワークをさらに強化する重要な拠点となる。高精度加工技術、高い信頼性、そして継続的な技術革新を通じて、世界中の顧客や製造業の多様なニーズに持続的に応えていく。
また、この投資は将来の産業課題に対応するため、生産インフラのさらなる強化を目指すMakinoの取り組みを示すものでもある。先進的な生産技術と効率的な製造プロセスを融合することで、生産の柔軟性を高めるとともに、品質水準のさらなる向上を実現する。さらに、多様な産業分野の顧客へ高品質な工作機械を安定して提供できる体制を強化し、富士吉田工場の稼働はMakinoの持続的な成長基盤を築く重要な節目として、世界の製造業の発展を支える先進工作機械メーカーとしての存在感を一層高めていく。
